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もう、後戻りの出来ない時代に生きる私たちがペットに求めるものは?

高度な経済・科学技術の発展を遂げた今、私たちの暮らしは便利に快適になりました。

例えば、夏は涼しく冬は暖かく過ごしたいという願望も、エアコンの普及で、現在では当然のように思われていますが、近代以前では考えられないほどの贅沢でした。つまり、私たちは今、非常に恵まれた生活を送っているはずなんですが‥

ところが、生活が豊かに快適に便利になってゆけばゆくほど、世の中は忙しくなってきました。『忙しい』の『忙』の字は、実は『心が亡くなる』という意味なんですよ。近隣との人間関係も希薄になり、隣に住む人の名前すら知らないケースも多いのではないですか?便利で快適ではあるけれど、なにかか物足りない、心が満たされない思いをすることもあります。便利さ・豊かさへの追求の果てに私たちが得たものは…?そして失われたものは…?

私たち現代人は、近代化・都市化の中で否応なく自然と切り離された生活を送っています。残念ながら、テクノロジーが発達すればするほど、便利さや快適さ・豊かさを追求すればするほど、ナマの自然から遠ざかっているのも事実なのです。けれども、もう後戻りはできません。

電気のない暮らしには耐えられないでしょうし、ネットや携帯の無い生活も考えられないですよね。ましてや、原始時代の暮らしに戻る事はもう絶対に出来ません。

高度に発達した脳を持ち、「火」と「道具」を操ることが可能になった私たち人間ですが、それでも地球に生きる「動物」の一種である事に変わりはありません。どんなに自然を征服して繁栄しようと、完全に自然と切り離されて生きる事は、実は不可能なんですね。

はい、そこで動物たちの出番になるわけですね。長い歴史の中で、人間と協力し合って共に生きてきた実績を持つ犬や猫たちは、ある意味では自然そのものの存在でもあります。癒しを求める私たちの心が、よりいっそう彼らを必要とするようになってきたのです。

以前、ロボット犬やゲーム機の中でのペット飼育がブームになったことがありましたが、定着はしませんでしたね。高度なテクノロジーの集大成であるそれらよりも、私たちが選んだのは温かくて柔らかな、血の通った動物たちでした。

動物学者のコンラッド・ローレンツ博士は次のように語っています。「人間と動物の関係は、人間と自然の関係である。人間が自然と離れて都会化すればするほど、自然すなわち動物の存在が必要となる」

そうして、いま、人間と動物たちとの関係を学術的に追求する新しい科学も生まれてきました。人間と動物たちとの深い絆を改めて見直す時代になってきたのです。

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