犬や猫などの動物とのふれあいによって、人の心身の健康にさまざまな効果を期待する行為を
総称してアニマル・セラピーと呼びます。
アニマル・セラピーは大まかに3つの形に分類されます。
・動物介在活動 (AAA)アニマル・アシステッド・アクティビテイ
動物とふれあうことが目的で、近年では、獣医師とボランティアが動物を連れて福祉施設や
老人ホームを訪問する活動が広がっています。(社)日本動物病院福祉協会(JAHA)が
1986年に本格的に訪問活動を始めて20年以上たちました。この活動は、経験を重ねるうちに
多くの福祉施設や関係者に支持されるようになり現在に至ります。
高齢者施設を訪問した場合は、活動によって次のような変化が見られたそうです。
①寝たきりの人の離床率が高まった
②動物に声をかけることで発声のリハビリに役立つ
③動物にふれたいと努力することで全身のリハビリに役立つ
④無表情だったお年寄りが動物と接して表現力を取り戻した
⑤次回の訪問を期待し生活の楽しみができた
⑥施設内のお年より同士や職員間に共通の話題ができ雰囲気が明るくなった
訪問する動物たちは、ボランティアの方が飼っているペットですが、概ね以下のような条件を
備えた動物たちがふさわしいようです。
>どんな動物がふさわしいの?
行動が予測しやすく表情が豊かで親しみやすい動物
犬・猫・ウサギ(リードをつける)
ハムスター・小鳥・モルモットなど(ケージに入れる)
>条件は?
社交的で人間好きな性質、しつけがキチンとなされている動物
JAHAでは下記を基準にしています。
①ムダ鳴きをしない
②みだりに排泄をしない
③室内で飼育されている
④健康診断を受けている
⑤できれば不妊・去勢済み
⑥人ごみの中でも落ち着いていられる
⑦他の動物に対しても落ち着いている
⑧「お座り」「待て」などができる
⑨予防接種済み
また、施設内で動物を飼育するケース、動物のいる場所に
出かける形もあります。
・動物介在療法 (AAT)アニマル・アシステッド・セラピー
医療従事者が専門的治療行為として行い、観察記録もとる。動物や活動目的に対する知識と
緊張感が要求されます。
・動物介在教育 (AAE)アニマル・アシスッテド・エデュケーション
学校教育の現場において、動物とのふれあいや命の尊さを子どもたちに学んでもらうため、
総合学習などに取り入れられている。