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どんなに愛するペットであっても、いつかは必ず来る別れの日…。

家族同様に愛し愛されてともに過ごしたペットたち…。けれども、人間ほどの寿命を持たないペットたちの殆どは、確実に私たちよりも早く逝ってしまうのです。どれほど適切に管理して面倒を見ても、寿命である限り彼らの死を避ける事はできません。ペットを失った後の飼い主の悲しみを「ペットロス」として取り上げられる事が増えてきましたが、この悲しみを乗り越えるための心の動きをエリザベス・キューブラー・ロス博士は『悲哀のプロセス』と名づけました。もともとは人間を対象としているのですが、家族同様のペットたちにも当てはまるからです。

第一段階:否認
えっ、そんな!嘘でしょ!!どうして?そんなのイヤ!!
悲しい出来事が起こると、ショックのために目の前にある事実を認めたくなくなります。
現実を認めたくない拒絶反応なのですが、実は、次に来る心の打撃に対する緩和作用にな
っているのです。

第二段階:駆け引き
例えば、死に掛かっているペットが元気になったら、もっと可愛がります、散歩にももっ
と連れて行ってやります、(子どもならば)もっとイイ子になります、だから神さま助け
てください!と心に祈る事などがそうですね。あなた、身に覚えがありませんか?

第三段階:怒り
泣いたり怒ったり、自分を責めたりします。誰も自分の悲しい気持ちをわかってくれない
と第三者に怒りをぶつけたり、もっと早く医者に診せてやればよかった、自分がもっと大
切にすれば長生きできたのではないか、と過去の事をくよくよと後悔し罪悪感を覚える事
もあります。実は、これは傷ついた心が治っていくための感情の動きなのです。

第四段階:抑うつ
ここからが本当の悲しみに入ります。罪悪感や怒りは消え、何も手につかないような、た
まらない虚しさを覚えます。ここで大切な事は、自分が悲しんでいるのだとハッキリ認め
ることです。たかがペットが死んだくらいで、こんなにくよくよするのは恥ずかしい、い
いオトナが仕事も家事も手につかないほど悲しいなんて、我ながらオカシイのではないか?
と悲しみを無理に押さえ込む必要はありません!この悲しみは当然のことなのです。同じ
ようにペットを亡くした経験のある周囲の人たちからの協力が必要なときでもあります。

第五段階:受容
ここに来てようやく死の悲しみから抜け出す事が出来るようになります。共に過ごした楽し
かった事などを思い出します。そうして、死んでしまったペットに対して、心から「楽しい
思い出をありがとう」と感謝できるようになります。

これが「悲哀のプロセス」と呼ばれる感情の動きです。実際には、この順番どおりではなく
前後する事もありますが、おおむねこの流れで心は癒されてゆきます。

次の段階として、ペットロスに対して有効なのは、実は新しいペットを飼う事なのです。新しい動物を飼う事は、前の動物を忘れる事ではありません。逆に、楽しかった思い出がくっきりと甦ることでもあるのです。愛犬との思い出を書いた『ハラスのいた日々』の著者、中野孝次氏の一連の作品を読むと非常によくその点が描かれています。愛犬ハラスに死なれたあと、もう二度と犬は飼うまいと一旦は決心した氏が、その後、別の犬たちを飼うことにより、さらに充実した日々を送れるようになった事が綴られています。

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